親や祖父母からまとまった資金の援助や、不動産の譲渡を受けた際に気になるのが「贈与税」のこと。
「申告が必要なのはわかったけれど、自分一人で手続きできるのだろうか?」と不安に思っていませんか?
もし間違えて申告すれば、本来払わなくて良い税金を払ってしまったり、逆に申告漏れでペナルティを科されたりするリスクがあります。
また、贈与は「将来の相続」とも密接に関わっています。
この記事では、贈与税申告を税理士に依頼すべき判断基準、気になる報酬(費用)の相場、そして依頼する具体的なメリットについて徹底解説します。
ご自身の状況と照らし合わせながら、最適な選択をするための参考にしてください。
贈与税申告を税理士に依頼すべきか?
結論から言うと、贈与された財産の種類や特例制度を使うかどうかによって、税理士に依頼すべき重要度は大きく変わります。
ご自身がどちらのケースに当てはまるかチェックしてみましょう。
税理士に依頼したほうが良いケース
以下のいずれかに当てはまる場合は、税理士への依頼を強く推奨します。
申告の難易度が高く、計算ミスのリスクが大きいためです。
不動産(土地・建物)や非上場株式の贈与を受けた
現金と違い、不動産や株式には「決まった価格」がありません。
国税庁のルール(財産評価基本通達)に基づいて評価額を計算する必要がありますが、土地の形状や道路付けによって評価額が大きく変動するため、専門知識が不可欠です。
「相続時精算課税制度」や「住宅取得等資金の非課税特例」など、特例を利用したい
これらの特例は数百万円〜数千万円単位の節税効果がありますが、適用要件が非常に細かく設定されています。
添付書類の不備や要件の解釈ミスで「特例が認められない」事態になると、莫大な税金がかかる恐れがあります。
将来の相続税対策も見据えて贈与を行いたい
「今、贈与税を払ってでも渡したほうが得か」「相続まで待ったほうが得か」の判断は、資産全体のシミュレーションが必要です。
贈与額が大きく、税務調査が怖い
高額な贈与は税務署のチェックが入りやすくなります。
税理士の署名がある申告書は信頼性が高まります。
平日忙しくて税務署に行く時間や書類作成の時間がない
「平日は仕事で忙しく、税務署に行く時間も書類を作る暇もない」という点は、実は税理士に依頼する動機として非常に多い理由です。
税務署の窓口は基本的に「平日の8時30分から17時まで」しか開いていないため、会社員の方がご自身で手続きをするには有給休暇を取るなどの調整が必要になってしまいます。
「休日の貴重な時間を潰したくない」「精神的な負担をなくしたい」という場合は税理士に依頼することをおすすめします。
自分で申告しても問題ないケース
以下のすべてに当てはまる場合は、ご自身で申告を行っても大きなトラブルになる可能性は低いでしょう。
贈与財産が現金・預金のみである
評価の計算が不要で、通帳の金額そのままで申告できるためです。
特例を使わず、基礎控除(110万円)を少し超える程度の「暦年贈与」である
例えば「300万円を現金でもらった」といったシンプルなケースです。
計算が単純で、間違えても追徴税額が少額で済む範囲
金額が数百万円の範囲で、かつ現金のみであれば、万が一間違えても「数千円〜数万円」の差額で済むことがほとんどです。
この程度のリスクであれば、税理士報酬(数万円〜)を払うよりも、自分でやってみる価値は十分にあると言えます。
贈与税申告の税理士報酬(費用)の相場はいくら?
「プロに頼みたいけれど、高そうで心配」という方のために、目安となる相場をご紹介します。
一般的に税理士報酬は、「基本報酬」+「財産の評価難易度に応じた加算」で決まります。
基本報酬の目安
贈与財産総額に応じた報酬設定をしている事務所が一般的です。
- 財産総額 500万円未満: 3万円 〜 8万円
- 財産総額 1,000万円程度: 8万円 〜 15万円
- 財産総額 3,000万円以上: 財産額の 0.5% 〜 1.0% 程度
※特例を利用せず、現金のみの贈与であれば、2〜3万円から対応してくれる事務所もあります。
加算報酬が発生するケース
現金以外の資産が含まれる場合、評価作業の手間賃として報酬が加算されます。
- 不動産評価が必要な場合: 1箇所(1筆)につき 5万円〜15万円
- 非上場株式の評価が必要な場合: 1社につき 10万円〜30万円
【なぜ高くなるのか?】
土地の評価は、現地の調査や役所での資料収集が必要となり、補正(不整形地やセットバックなど)を正しく行うことで評価額を下げ、税金を安くできる余地があるためです。
非上場株式も会社の決算書を分析して株価を算定するため、高度な専門性が求められます。
自分で申告する場合のコスト
- 金銭的コスト: 0円
- 時間的コスト: 制度の勉強、書類の収集、作成、提出まで数日〜数週間。
- リスクというコスト: もし計算を間違えて税務調査が入った場合、本来の税金に加え、過少申告加算税(10%〜15%)や延滞税が課される可能性があります。税理士報酬よりもペナルティのほうが高くつくケースも珍しくありません。
贈与税申告を税理士に依頼する3つのメリット
「安心感」だけでなく、金銭的なメリットも期待できます。
1. 正しい財産評価による節税とペナルティ回避
特に不動産において、プロは「広大地補正」や「不整形地補正」などを駆使して、合法的に評価額を最小限に抑えます。
評価額が下がれば、当然支払う贈与税も安くなります。
自分で高く評価しすぎて税金を払いすぎる「過大申告」のリスクも防げます。
2. 複雑な特例制度の適用漏れを防ぐ
「住宅取得等資金の非課税特例」や「配偶者控除」などは、適用期限や要件が頻繁に改正されます。
「使えるはずの特例を見逃していた」という事態を防ぎ、確実に適用を受けるための書類整備を任せることができます。
3. 「二次相続」まで見据えたトータルアドバイス
ここが最大のメリットかもしれません。
例えば、父から子へ贈与する場合、今回の贈与税だけでなく「将来、父が亡くなった時の相続税」がどうなるかを考える必要があります。
「今、贈与すると税金がかかるが、相続財産を減らせるのでトータルでは数百万円の節税になる」といった、長期視点でのアドバイスが受けられます。
税理士選びで失敗しないためのポイント
すべての税理士が贈与税に詳しいわけではありません。
以下のポイントで選びましょう。
「資産税(相続・贈与)」に強い税理士を選ぶ
税理士には「法人税が得意」「確定申告が得意」などの専門分野があります。
贈与税は「資産税」の分野です。ホームページなどで「相続・贈与の相談実績多数」と謳っている事務所を選びましょう。
報酬体系が明確か確認する
「基本料は安いが、あとからオプション料をたくさん請求された」とならないよう、契約前に必ず見積もり(総額)を出してもらいましょう。
相談しやすさと相性
家族構成や資産状況などのプライベートな情報を話すことになります。
「高圧的でないか」「素人質問にも丁寧に答えてくれるか」といった相性も重要です。
贈与税申告を税理士に依頼する際の流れと必要書類
贈与税申告を税理士に依頼する場合の流れと必要書類について解説します。
相談から申告完了までのステップ
- 問い合わせ・面談予約:Webや電話で予約。
- 初回面談(無料が多い):現状を伝え、概算見積もりをもらう。
- 契約・着手:正式に依頼。
- 資料収集:税理士の指示に従い、残高証明書などを集める。
- 申告書作成・確認:税理士が計算・作成し、内容を確認する。
- 申告・納税:税理士が代理送信(e-Tax)。その後、ご自身で納税。
初回の無料相談に持っていくとスムーズなもの
- 贈与契約書(ある場合)
- 通帳のコピー(贈与の入金がわかるもの)
- 固定資産税の課税明細書(不動産を贈与された場合)
- 身分証明書
- 過去の贈与の履歴がわかるメモ(過去3年以内に贈与を受けている場合)
贈与税申告に関するよくある質問(Q&A)
贈与税申告に関するよくある質問をいくつかご紹介します。
贈与税の申告期限はいつまでですか?
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。
この期間内に申告と納税の両方を済ませる必要があります。
申告期限を過ぎてしまった場合はどうすればいいですか?
気づいた時点で、一日も早く申告してください。
期限を過ぎると「無申告加算税」などのペナルティが発生しますが、自主的に早く申告すれば税率は軽減されます。
まずは税理士に至急相談することをおすすめします。
税理士に頼めば税務調査は来ませんか?
「絶対に来ない」とは言えませんが、確率は下がります。
また、万が一調査が入った場合でも、申告書に「税務代理権限証書」を添付していれば、税理士が窓口となって対応してくれるため、精神的な負担や交渉の手間を大幅に軽減できます。
まとめ
贈与税の申告は、単に書類を出すだけでなく、「正しい評価額の算出」と「将来の相続を見据えた戦略」が重要です。
- 現金のみの少額贈与ならDIYも可能。
- 不動産・特例利用・高額贈与なら税理士への依頼がコスパ良し。
報酬(コスト)はかかりますが、適正な評価による節税効果や、将来の相続税対策まで含めたアドバイスは、支払う報酬以上の価値を生むことが多いです。
まずは、お近くの資産税に強い税理士の「初回無料相談」を利用して、見積もりとアドバイスをもらってみてはいかがでしょうか?
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