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養子縁組が原因で起きる相続トラブルとその対策

養子縁組は、血縁関係にない人を家族として迎え入れる素晴らしい制度ですが、相続においては予期せぬトラブルの原因となることがあります。

特に、相続人の数が変わることや、養子と実子の間で不公平感が生じることがトラブルの主な要因です。

 

養子縁組で発生しやすい相続トラブルと背景

養子縁組による相続トラブルの多くは、実子と養子の関係性や、当事者間のコミュニケーション不足に起因します。

  • 遺産分割の不公平感と感情的な対立

養子縁組は、実子にとっては見知らぬ人が突然、法定相続人になることを意味します。

そのため、実子から「財産目当てではないか」と疑われたり、養子に与えられる相続分に納得できなかったりすることがあります。

特に、養子が成人してから縁組した場合、実子から「親の財産を横取りしようとしている」と感情的な対立に発展するケースも見られます。

  • 遺留分を巡る争いと法的な問題

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に保証された最低限の遺産取得分です。

遺言書で養子に多くの財産を相続させようとした場合、実子が遺留分侵害額請求を行うことでトラブルに発展することがあります。

この請求は法的に認められている権利であり、遺言書の内容を無効にすることはできませんが、結果として遺産分割協議が複雑化し、長期化する可能性があります。

  • 養子縁組の無効化と裁判リスク

実子が、養子縁組自体が無効であると主張して裁判を起こすケースもあります。

これは、養子縁組が相続税対策だけを目的としたものだとみなされた場合に発生する可能性があり、その際には裁判で養子縁組の有効性が争われます。

このような事態になると、家族関係はさらに悪化し、多大な時間と費用がかかることになります。

 

トラブルを防ぐための具体的な対策

養子縁組による相続トラブルを避けるためには、事前の準備と家族間のコミュニケーションが非常に重要です。

  1. 遺言書の作成と内容の明確化

遺言書で各相続人の取り分を明確にすることで、遺産分割協議での争いを避けることができます。遺言書には、養子縁組の経緯や、なぜそのような配分にしたのかを付記しておくと、よりトラブルを防止しやすくなります。

特に、公正証書遺言を作成することで、形式不備による無効化リスクを低減できます。

  1. 生前贈与の活用と税務上の配慮

相続財産の一部を生前贈与として養子に渡すことで、相続時の財産額を減らし、実子の不満を和らげることができます。

贈与には、相続時精算課税制度などを利用することも検討しましょう。

これは、贈与時に課税し、相続時にその贈与分を相続財産に加算して相続税を計算する制度で、将来の相続税の負担を軽減する効果があります。

  1. 家族会議の開催と誠実な対話

養子縁組を行う前に、家族全員で話し合いの場を設けることが最も大切です。養子を迎え入れる理由や、今後の相続についてオープンに話し合うことで、お互いの理解を深めることができます。

遺産や財産の話だけでなく、これからの家族のあり方についても話し合うことで、感情的な対立を避けることができます。

 

まとめ

養子縁組は、家族の形を豊かにする一方で、相続においては慎重な対応が求められます。トラブルを未然に防ぐためには、遺言書や生前贈与を上手く活用することに加え、何よりも家族間のコミュニケーションを大切にすることが不可欠です。専門家である弁護士や税理士に相談しながら、養子縁組と相続の準備を進めることをおすすめします。

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